受入れの実務

外国人社員の入社手続き、保険と届出の順番

外国人社員の入社手続き、保険と届出の順番

入社日や入国日がカレンダーに入ると、次に来るのは会社が事業主として出す手続きです。並べてみると日本人を雇うときの入社手続きに、届出が1つ加わる形です。在留カードの確認が済んだ次の工程として、社会保険・雇用保険・ハローワーク・税・入管の順に整理します(2026年9月15日時点の公表内容にもとづきます)。

入社日が決まったら、先に決める3つ

届出の前に社内で決めておくと、あとの手続きが一度で進むものが3つあります。

決めること 決めておく理由
雇用契約書と説明に使う言語 本人が内容を理解して署名できるようにする。出入国在留管理庁の特定技能の様式一覧には、英語及び9か国語による様式も掲載されています
給与の受け取り方 入国直後は口座がまだ無いことがあります。最初の給料日までに口座開設が間に合うかを見ておきます
初日の説明担当 保険・年金・税の話を誰がするかを決めると、本人の質問の窓口が1つになります

口座や住居地の届出は入国から最初の1か月にまとめました。

社会保険が先、雇用保険はその次

期限の短い順に並べると、先に来るのは健康保険・厚生年金保険です。

届出 出す先 期限
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所) 事実発生から5日以内
雇用保険被保険者資格取得届 事業所の所在地を管轄するハローワーク 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで

日本年金機構は、適用事業所に常時使用される方は「国籍や性別、賃金の額等に関係なく被保険者」となると案内しています。健康保険組合に加入している会社は、健康保険の分の出し先を組合にもご確認ください。

外国籍の方で先に確かめるのは番号です。資格取得届にはマイナンバーまたは基礎年金番号を書きますが、マイナンバーの通知は住民票ができた後に郵送されるので、入国直後は手元に無いことがあります。同機構は、どちらも無く記載できない場合は備考欄等に理由を書いて提出するよう案内しています。マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない方は、ローマ字氏名届を添付します。

雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上引き続き雇用されることが見込まれる方が被保険者になると厚生労働省が案内しています。

ハローワークへの届出は、資格取得届で兼ねられます

日本人の手続きに加わる1つが、外国人雇用状況の届出です。厚生労働省は、全ての事業主に、外国人(在留資格「外交」「公用」、特別永住者を除く)の雇入れと離職の際に、氏名・在留資格等を確認してハローワークへ届け出ることが義務付けられていると案内しています。出し方は、本人が雇用保険に入るかどうかで分かれます。

本人の雇用保険 出すもの 期限(雇入れ) 電子申請
被保険者になる 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号) 翌月10日まで e-Gov
被保険者にならない 外国人雇用状況届出書(様式第3号) 翌月末日まで 外国人雇用状況届出システム

雇用保険に入る方なら、資格取得届を出すことで外国人雇用状況の届出を行ったことになります。届け出る事項は氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無、在留カード番号です。同省のQ&Aは、在留カードの写しは提出しないとしたうえで、記載内容の正確性を担保するのは一義的には事業主なので、在留カードなどで確認して届け出るよう求めています。

離職のときは、被保険者なら資格喪失届(様式第4号)を離職の翌日から起算して10日以内に、被保険者でなければ様式第3号を翌月末日までに出します。

住民税は翌年から。入社時に一度伝えておく

総務省の外国人向けの案内によれば、住民税は1月1日時点で日本に住所があり、一定額以上の給料などをもらっている人であれば外国人の方でも支払う税金で、額は前の年の1月1日から12月31日までの給料などで決まります。会社で働く人は給料からの天引き(特別徴収)が原則で、対象の人には毎年5月31日までに、会社から特別徴収税額の決定・変更通知書が配られます。

当てはめると、2026年秋に初めて来日した方なら、計算に使われるのは2027年1月1日の住所と2026年に受け取った給料です。会社側の工程は、1月31日までに、1月1日時点で本人が住む市区町村へ給与支払報告書を出すことです(地方税法第317条の6)。課税される方にはその後に通知書が配られ、給与明細に住民税の行が加わります。入社時に一度伝えておくと、本人が戸惑いません。同じ案内には、所得や家族の状況、租税条約によって支払わなくてよい場合があるとも書かれています。所得税や扶養の扱いは税理士や税務署に、住民税は本人が住む市区町村にご確認ください。

入管への届出は、別の時計で動きます

入管への届出は、ここまでとは別の制度です。出入国在留管理庁の「中長期在留者の受入れに関する届出」は、対象の在留資格から特定技能を除き、外国人雇用状況の届出が義務付けられている機関も除くとしています。特定技能で受け入れる会社が入管に出すのは、受入れ機関(特定技能所属機関)としての定期届出と随時届出です。年1回の定期届出と、契約や支援体制が変わったときの随時届出は、それぞれの記事に場面と期限をまとめています。

国内で特定技能として働いている方を転職で迎えるなら、在留資格変更許可を受けてから就労開始という順番が先に来ます。流れは転職者を受け入れる手続きをご覧ください。

まとめ:入社日を0日にして、1枚に並べる

入社日を0日とした、保険と届出の順番表

  • 外国人の方だから加わる届出は、基本は外国人雇用状況の届出の1つ
  • 期限の短い順に、社会保険(5日以内)、雇用保険(翌月10日まで。外国人雇用状況の届出を兼ねる)
  • 住民税は1月1日の住所と前年の給料で決まる。翌年の明細の変化を入社時に伝える
  • 入管の届出は別の時計。特定技能は定期届出と随時届出で見る

短時間勤務で保険の扱いが分かれる場合や、社宅費を給与から差し引く場合など、雇用の形で答えが変わるところは、公表資料だけでは決めきれません。届出の作成・提出を外部に任せるなら社会保険労務士、税の判断は税理士の領域です。私たちは登録支援機関(登録番号 25登-011704)として、その手前にある順番と社内の担当の整理、受け入れ後の支援をご一緒しています(受入れ支援のご案内)。「この条件で迎える予定です」という段階で、個別にご相談ください。

最初の一手は、次に入社する方の入社日を0日として、この順番表に日付を書き込むことです。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

なお、本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。最新の要件は各機関の公表内容をご確認ください。

出典

いずれも2026年9月15日に掲載を確認。

お問い合わせ →

まずは、お話を聞かせてください。

現状を伺ったうえで、必要な選択肢だけをお伝えします。

お問い合わせ →