受入れの実務
在留カードのどこを見るか、確認の4か所と読取アプリ

外国人の方を採用するとき、在留カードを見せてもらう場面は必ず来ます。確認の型を持っている会社は、見る場所を4か所に決めています。2026年6月からは新様式の在留カードと特定在留カードの交付も始まりましたが、増えたのは確かめる手段のほうで、見る場所は変わっていません。券面の4か所・読取アプリ・確認のタイミングの順に整理します。
まず券面の4か所を見る
在留カードは、入管法上の在留資格をもって適法に中長期間滞在する外国人の方が所持するカードで、旅行者や不法滞在者には交付されないと出入国在留管理庁が案内しています。見るのは次の4か所です。
| 見る場所 | 券面のどこ | ここで分かること |
|---|---|---|
| 在留資格 | 表面 | どの在留資格で在留しているか |
| 在留期間の満了の日 | 表面 | いつまで在留できるか。更新の逆算の起点 |
| 就労制限の有無 | 表面 | 就労が認められる範囲の型 |
| 資格外活動許可欄 | 裏面 | 許可の有無と、許可された範囲 |
3つめの「就労制限の有無」欄には、同庁の事業主向けリーフレットによれば次のいずれかが記載されます。就労制限なし、就労不可、在留資格に基づく就労活動のみ可、指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可(在留資格「技能実習」)、指定書により指定された就労活動のみ可(在留資格「特定活動」)。後の2つは、法務大臣が個々に指定した活動等が記載された指定書もあわせて確認します。
4つめの資格外活動許可欄は裏面にあり、記載例は「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」などです。
特定技能は、法務大臣が指定する機関との雇用契約に基づいて特定産業分野の業務に従事する在留資格です。同庁の特定技能運用要領によれば、許可の際に在留カードとあわせて指定書が交付され、そこに機関の名称・住所と特定産業分野が記載されます。転職で指定書に記載された機関や分野を変えるときは在留資格変更許可が必要とされていますので、どの機関で、どの分野かは指定書で確かめます。就労制限の有無欄の表記は在留資格ごとに変わりますので、実際の券面の記載を上の5通りと突き合わせて確認します(5通りの一覧は同庁「外国人を雇用する事業主の皆様へ」に掲載)。
同庁のリーフレットには、不法就労させた事業主も処罰の対象となること、不法就労者であると知らなかったとしても、在留カードを確認していない等の過失がある場合には処罰を免れないことが記載されています。見る場所と残す記録が決まっていれば、この工程は採用のたびに同じ手順で片づきます。
券面だけでは分からないこと——読取アプリと失効情報照会
券面を見ても分からないのは、そのカード自体が本物かどうかです。ここは同庁が公開する2つの手段で補えます。
在留カード等読取アプリケーションは、ICチップの情報を読み取り、その情報が偽造・改ざんされたものでないことを確認できる無料のアプリです。旧様式・新様式の在留カード、特定在留カード、特別永住者証明書に対応し、パソコンでもNFC対応のスマートフォンでも使えます。本人の同意を得て提示を受けること、常に最新版を使うことが案内されています。
もう1つが在留カード等番号失効情報照会で、カードの番号と有効期間の満了日を入力すると、その番号が失効していないかを確認できます。ただし同庁は、問合せ結果はカード自体の有効性を証明するものではないこと、実在する番号を悪用した偽造カードも存在することから、結果にかかわらず、読取アプリケーションでの確認と、同庁「『在留カード』及び『特別永住者証明書』の見方」に載っている偽変造防止対策もあわせて確認するよう案内しています。
この2つで確かめられるのは、券面とICチップが一致しているか、その番号が失効していないかまでです。個別の方が自社のその業務に就けるかは、これだけでは決まりません。判断が要る場面は、公表内容を確認したうえで地方出入国在留管理局への確認や行政書士等との連携で進めます。
2026年からの新様式と特定在留カード
2026年(令和8年)6月14日から、マイナンバーカードの機能を付加した特定在留カード等の運用が始まり、在留カードと特別永住者証明書も新様式になりました。取得は任意です。変わったのは券面に載る項目です。
| 項目 | 旧様式の券面 | 新様式の券面(2026年6月14日以降交付分) |
|---|---|---|
| 在留資格 | 記載あり | 記載あり |
| 在留期間の満了の日 | 記載あり | 記載あり |
| 就労制限の有無 | 記載あり | 記載あり |
| 資格外活動許可 | 記載あり | 記載あり |
| 在留期間(「3年」などの長さ) | 記載あり | ICチップにのみ記録 |
| 許可の種類・許可年月日 | 記載あり | ICチップにのみ記録 |
| 在留カードの交付年月日 | 記載あり | ICチップにのみ記録(読取アプリの表示対象外) |
先ほどの4か所は、そのまま券面に残っています。券面から外れた項目はICチップに記録され、在留期間の長さは読取アプリで見ます。同庁は2026年8月19日の改修版で「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」を表示できるようにしたと案内しています。旧様式と新様式は当分併存しますが、どちらが来ても同じ4か所と決めれば、社内の手順は1本で足ります。
いつ確認して、何を社内に残すか
上の4つに固定しておくと、担当者が代わっても途切れません。満了日の3か月前を入れているのは、6か月以上の在留期間を有する方の在留期間更新許可申請が、満了する3か月前から受け付けられるためです。
残す記録は多くなくて構いません。確認した日・確認した人・見た4か所の内容・読取アプリと失効情報照会の実施、この4項目が1枚に収まっていれば、次の担当者が同じ作業を再現できます。写しを保管するなら、本人に目的を説明して同意を得たうえで、保管場所と期間も決めます。
転職の方を受け入れるときは特定技能の転職者を受け入れる手続きと併せて読むと、指定書の確認から先の流れがつながります。満了の日を控えたら更新を3か月前から始める段取りへ進みます。
ここは個別にご相談ください
私たちは登録支援機関(登録番号 25登-011704)として、受け入れ後の支援と、社内で確認を回す手順づくりをお手伝いしています。書類については作成の支援を行い、判断を要する部分は行政書士等と連携して進めます。
確認の1枚に何を載せるか、誰が記録を持つかは、分野・受け入れ人数・社内の体制で変わります。御社の状況を伺ってお伝えしますので、個別にご相談ください。社内の手順づくりは内製化のご支援でもご一緒しています。
まとめ:確認の4か所を1枚にする
- 券面で見るのは、在留資格・在留期間の満了の日・就労制限の有無・資格外活動許可欄の4か所
- 「就労制限の有無」欄の記載は5通り。指定書がある型は指定書も見る
- 特定技能は機関と分野が指定書に記載される。転職の方は指定書もあわせて見る
- 読取アプリと失効情報照会で分かるのは、券面とICチップの一致と失効の有無まで
- 新様式でも4か所は券面に残る。在留期間の長さは読取アプリで見る
- 確認は内定・契約の前/入社日/更新・変更のあと/満了日の3か月前に固定する
次の一手は、この4か所を1枚に印刷して、次の面接の前に手元へ置くことです。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
なお、本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。最新の要件は出入国在留管理庁の公表内容をご確認ください。
出典
いずれも2026年9月10日に出入国在留管理庁のサイトで掲載を確認。
- 出入国在留管理庁「外国人を雇用する事業主の皆様へ」 https://www.moj.go.jp/isa/content/930004269.pdf
- 同「『在留カード』及び『特別永住者証明書』の見方」 https://www.moj.go.jp/isa/content/930001733.pdf
- 同「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和7年4月) https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf
- 同「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/rcc-support.html
- 同「新様式の在留カードに係る在留期間の確認方法について」 https://www.moj.go.jp/isa/11_00106.html
- 同「特定在留カード等交付申請について」 https://www.moj.go.jp/isa/tokutei.html
- 同「在留期間更新許可申請」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-3.html
