受入れの実務

特定技能の定期届出は年1回に変更(2026年4月〜)提出時期と書き方

特定技能の定期届出は年1回に変更(2026年4月〜)提出時期と書き方

「四半期ごとに出していたあの届出、次はいつでしたか」——受け入れを続けている会社からよく伺う質問です。特定技能の受入れ機関が行う定期届出は、令和8年(2026年)4月1日からルールが変わり、提出は1年に1回になりました。回数が減ったぶん、1回で1年分を書くことになります。この記事では、変わった後の期限の並びと、今から残しておくと1回で書き切れる記録を整理します。

四半期ごとから、1年に1回になりました

出入国在留管理庁の「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」のページでは、令和8年4月1日から定期届出のルールが大幅に変更されたと案内されています。以前は四半期に1度でしたが、現在は1年に1回で、様式も「特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況」(参考様式第3-6号)にまとめられました(2026年8月時点)。

項目 変更後の内容(2026年4月1日〜)
提出の回数 1年に1回(以前は四半期に1度)
対象期間 4月1日から翌年3月31日
提出期間 対象年度の翌年度の4月1日〜5月31日(5月31日が土日祝日の場合は翌開庁日)
様式 「特定技能外国人の受入れ・活動・支援実施状況」(参考様式第3-6号)
提出方法 電子届出システムによる提出、または地方出入国在留管理局の窓口へ郵送・持参

届け出るのは特定技能所属機関(受入れ機関)と登録支援機関ですが、作成要領では登録支援機関は特定技能所属機関を経由して支援業務の実施状況を届け出るとされています(入管法第19条の18第2項第1号〜第3号、第19条の30第2項)。受入れ機関が自社の受入れ・活動状況の届出を作成し、登録支援機関による支援実施状況を取りまとめて提出する形です。支援を委託していても、届出を出す立場に立つのは受入れ機関自身——ここが分かると、社内の段取りを決めやすくなります。

次に出すのは2027年の4〜5月。対象は「今、進行中の1年」

作成要領には対象期間の具体例が示されています。2026年4月1日から5月31日に提出した定期届出の対象期間は、2025年4月1日〜2026年3月31日でした。この並びを先へ延ばすと、次の提出時期と対象期間が決まります。

対象期間 提出期間
前回 2025年4月1日〜2026年3月31日 2026年4月1日〜5月31日(提出済み)
次回 2026年4月1日〜2027年3月31日 2027年4月1日〜5月31日

次回の対象期間は、今まさに進行中の1年です。今日の勤怠も今月の面談記録も、そのまま次の届出の材料になります。提出は来年でも、材料が生まれているのは今日です。

対象の範囲も作成要領で整理されています。受入れが1日でもあった年度が対象期間となり、3月31日に受け入れを始めた場合も提出の対象です。反対に、受入れがまったく無かった年度は提出不要とされています。自社がどちらかは、年度内の在籍記録を見ればすぐ分かります。

1年分を一度に書ける会社は、月ごとに数字を残している

年1回になって効いてくるのは、1年前の数字を後から数え直さずに済むかどうかです。同庁のQ&A(令和8年5月)を読むと、届出に書く項目には「その月なら分かるが、翌年の5月に集め直すと手間がかかる」ものがあります。落ち着いて出している会社は、これらをその都度残しています。

届出に書くこと Q&Aでの整理 残すタイミング
活動日数の総数(年間) 実際に就労した日数。休暇等で就労していない日は含まないが、支援計画に基づく支援(生活オリエンテーション等)と職務命令による出張・研修は含める 毎月、勤怠を締めるとき
報酬の支給総額(年間) 基本賃金に諸手当等を加算し、税金等を控除する前の額 毎月、給与計算のとき
労働条件等の平均 全員の対象数値の合計(年間)÷全員の在籍月数で算出 入社・退職・変更許可の日付を、動きがあった日に
支援の実施状況 自社支援か委託かに応じて実施状況を取りまとめる 面談・オリエンテーションを行った都度

対象になる人の範囲も押さえておくと安心です。Q&Aでは、対象期間中に1日でも所属していた方が対象とされ、在留資格変更許可までの間の活動状況も対象とされています。年度の途中で退職した方の記録も残しておく、という一言に集約できます。

記録の置き場所は、まず1か所に集めるところから始めれば十分です。面談は何を聞くかを決めておくと、届出の欄にそのまま写せる形で残ります。

委託先が変わった年度も、期間で区切れば1年分になる

「年度の途中で支援の委託先を変えたら、届出はどうなるのか」もよく伺います。作成要領には例があり、7月15日に委託先の登録支援機関を変更し、さらに10月15日に自社支援へ切り替えた場合は、4月1日〜7月14日分はそれまでの登録支援機関、7月15日〜10月14日分は新しい登録支援機関の支援実施状況を取りまとめ、10月15日以降は受入れ機関が自ら記載して、1年分としてまとめて提出するとされています。

支援の担い手が変わっても、届出は1本です。切り替えの日付と、その前後の記録のありかが分かっていれば、あとは順番に並べるだけになります。切り替えを予定しているなら、契約が終わるときに記録の引き渡しを1項目として決めておくと、翌年の5月に探し直さずに済みます(外注から自社への切り替えも参考にしてください)。

事業所が複数ある場合は、作成要領で特定技能所属機関(いわゆる本社)がまとめて一つの届出書として作成・提出することとされ、事業所ごとに作成・提出しないよう案内されています。どの事業所の記録がいつ本社に上がるかを決めておくと、様式の欄は順に埋まります。

随時届出と面談の頻度は、これまでどおり

年1回になったのは定期届出です。随時届出——特定技能外国人が退職した場合や、1か月以上活動を行うことができない事由が生じた場合などの届出は、事由が生じた日から14日以内で、こちらは従来どおりです。定期届出とは別の期限として持っておくと混乱しません。

支援の側も同じで、定期面談は運用要領で3か月に1回以上とされています。届出が年1回になっても面談や記録の頻度は変わらず、むしろ3か月ごとの面談記録が年1回の届出を支える材料になります。なお2号特定技能外国人に対する支援義務はないため、2号の受入れしかない場合は支援実施状況の記載は不要とされています。

自社でどこまでやり、どこから相談するか

Q&Aでは、作成責任者は特定技能所属機関の役職員であって文書の作成に責任を負う者とされ、代表・役員である必要はないとされています。署名欄は実際に届出書を作成した人が署名するもので、印字による記名では足りないとも案内されています。誰が書いて誰が署名するかを先に決めておくと、5月の動きが軽くなります。電子届出システムを使う場合は事前の利用者登録および利用申出が必要ですので、提出期間より前に済ませておくと選択肢が広がります。

私たちは登録支援機関(登録番号 25登-011704)として、支援を受託している範囲の実施状況を取りまとめてお渡しし、御社が作成する届出書について作成のご支援を行っています。届出を行う主体は受入れ機関ですので、提出そのものは御社が行う形になります。判断が必要な部分は行政書士等と連携して進めます。社内で回す体制づくりは内製化のご支援、受け入れ全体の伴走は支援の3本柱としてご一緒しています。

そのうえで、事業所の数や委託の状況、分野によって、記録を集める道筋は変わります。ここは公表資料を読むだけでは決めきれませんので、個別にお話を伺ったうえでお伝えします。今年度の記録の残し方を題材にご相談いただくのが、いちばん具体的です。

まとめ:今年度の記録が1か所にあるか確認する

  • 定期届出は令和8年4月1日から1年に1回。対象期間は4月1日〜翌年3月31日
  • 提出は対象年度の翌年度の4月1日〜5月31日。次回は2027年4〜5月で、対象は今この1年
  • 1日でも受入れがあった年度は対象。受入れが無かった年度は提出不要
  • 活動日数・報酬総額・在籍月数・支援の記録は、その都度残せば転記だけで済む
  • 随時届出は事由発生から14日以内、定期面談は3か月に1回以上。頻度は変わっていない

最初の一手は、2026年4月からの記録が1か所に揃っているかを確認することです。揃っていなければ、月ごとに1行を足すシートを1枚作るところからで十分です。1年分を思い出す作業を、月1行の作業に置き換えられます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

なお、本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。最新の要件は出入国在留管理庁の公表内容をご確認ください。

出典

いずれも2026年8月5日に確認。

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