制度を知る
登録支援機関を変更するとき、出す届出と期限

「支援の委託先を変えることを考えているのですが、入管への届出はどうなるのでしょうか」——受け入れが1年、2年と続くと、委託先や委託の範囲を組み替える場面が出てきます。委託先を変えること自体は特別な手続きではなく、何を出すかは出入国在留管理庁の運用要領に正面から書かれています。「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版・2026年8月20日更新)をもとに、出す届出と期限の起点、支援に空白を作らない順番を整理します(2026年8月時点)。
委託先を入れ替えるとき、出す書面は2枚です
委託先を変えると届け出る事由は3つですが、出す書面は2枚にまとまります。
| 起きたこと | 出す届出(参考様式) |
|---|---|
| 今の委託先との支援委託契約が終了した | 支援委託契約の終了又は締結に係る届出書(第3-3-2号) |
| 新しい委託先と支援委託契約を締結した | 同(第3-3-2号) |
| 支援計画の内容が変わった | 支援計画変更に係る届出書(第3-2号) |
運用要領は、①自ら支援を実施していた機関が新たに登録支援機関と委託契約を締結した場合 ②支援を委託する登録支援機関を変更した場合 ③委託契約を終了して自ら支援を実施する場合——の3つを挙げ、いずれも支援計画変更に係る届出書と併せて支援委託契約の終了又は締結に係る届出書を提出しなければならない、としています。共通するのは「支援を誰が実施するか」が変わることです。まずこの3つに当てはまるかを見ると、届出が動く場面かどうかの当たりがつきます。委託先は変えず契約の中身だけを変える場合も対象になることがあり、後段で整理します。
期限は、事由が生じた日から14日以内
根拠は入管法第19条の18第1項第3号です。同号は「第2条の5第5項の契約の締結若しくは変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)をしたとき、又は当該契約が終了したとき」に届け出なければならないと定めています。ここでいう契約が、登録支援機関との支援委託契約です。
期限は出入国管理及び難民認定法施行規則(入管法施行規則)第19条の17第2項が定めていて、事由が生じた日から14日以内に書面を地方出入国在留管理局に提出することとされています。数え始める日は届出ごとに違います。
| 届出 | 14日を数え始める日 |
|---|---|
| 契約締結の届出 | 支援委託契約の締結日 |
| 契約終了の届出 | 支援委託契約の終了日 |
提出は2通りです。運用要領は、出入国在留管理庁電子届出システムを利用するか、特定技能所属機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局に書面を提出して届出を行わなければならない、としています。
起点が契約書の日付に紐づくので、契約日を決めた時点で提出期限も決まります。判を押したその場でカレンダーに14日後を入れるのが、いちばん手間の少ない置き方です(届出全体の見取り図は随時届出の出す場面と期限の数え方へ)。
入れ替えるときは、1枚に「終了」と「締結」の両方を書く
戸惑いやすいのは、終了と締結で届出書が2枚に分かれるのかという点です。運用要領の留意事項は、委託先の登録支援機関を変更した場合、届出書(参考様式第3-3-2号)②の「A 契約の終了」欄及び「B 契約の締結」欄の両方を記入してください、としています。「終了又は締結に係る届出書」は、1枚で両方を受け止める作りです。
併せて支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)を提出しなければならない、とされています。新しい委託先と契約を締結すると支援計画が変更となるためです。締結の届出には、登録支援機関との支援委託契約に関する説明書(参考様式第1-25号)も確認対象の書類として挙げられています。
委託先は変えず、契約の中身だけを変えるとき
委託先は同じまま、委託料や契約期間を見直すこともあります。この場合は様式が別で、確認対象の書類として、支援委託契約の変更に係る届出書(参考様式第3-3-1号)と、同じ説明書(参考様式第1-25号)が挙げられています。
どの変更が対象になるかは運用要領の別表が示しており、説明書の第5欄の委託料と第6欄の契約期間を変更した場合は届出が必要、という書き方です。別表は説明書の項目に対応しているので、説明書を見比べると当たりがつきます。
条文の側は「変更(法務省令で定める軽微な変更を除く。)」という留保を置いており、変更のすべてが届出になるわけではありません。線引きに迷うものは「対象かもしれない」側に置いて確認しておくと、後から慌てずに済みます。
なお運用要領は、委託する業務が支援計画の一部となる場合には、特定技能所属機関自らが適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施に関する基準に適合することが求められる、としています。一部委託へ組み替えるなら、自社が持つ役割を先に決めます(委託していても会社に残る仕事/支援計画を自社で書く)。
ここまでを、場面ごとに並べます。
| 場面 | 手元に揃える様式 |
|---|---|
| 委託先を入れ替える | 第3-3-2号(A欄・B欄の両方)+第1-25号+第3-2号 |
| 委託料・契約期間を変える | 第3-3-1号+第1-25号 |
| 委託を終了して自社で実施する | 第3-3-2号(A欄)+第3-2号 |
終了日と開始日を、先に並べて決める
運用要領は、支援委託契約を終了した場合、特定技能所属機関自らが1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に関する基準に適合するか、別の登録支援機関との委託契約を締結しなければ、1号特定技能外国人の受入れができないこととなる、としています。裏を返せば、終了と次の始まりが1本の線でつながっていれば、支援に空白は生まれません。順番はこうです。
先に決めるのは日付ではなく体制です。別の登録支援機関に委託するのか、自社で実施するのか。ここが決まれば開始日が決まり、今の契約の終了日も届出の締切も自動的に決まります(自社実施への切り替えは外注から内製へ切り替える段取りへ)。
もうひとつ、2026年8月20日更新の運用要領で書く枚数が減った場面があります。特定技能外国人の退職により、当該特定技能外国人に対する支援実施に係る委託契約が終了する場合、支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)は不要とされました。さらに、特定技能雇用契約の終了又は締結に係る届出書(参考様式第3-1-2号)の「A 契約の終了」欄の「c」欄を記載して提出すれば、支援委託契約の終了又は締結に係る届出書(第3-3-2号)も不要とされています。手元の手順書が更新前のままなら差し替えておくと安心です。
迷いやすいのは、様式ではなく順番のほうです
委託の範囲が全部か一部か、切り替えの時期が在留期間の更新と重なるか、支援の記録をどう引き継ぐか——このあたりは会社ごとに事情が違い、公表資料だけでは順番を決めきれないことがあります。私たちは登録支援機関(登録番号 25登-011704)として、受託している範囲の支援記録や実施状況をお渡しし、御社が届出書を作成できる形にご一緒しています。判断が要る場面は行政書士等と連携して進めます(支援の3本柱/内製化のご相談)。
まとめ:開始日から逆算すれば、手続きは自社で回せます
- 委託先を入れ替えて出す書面は2枚。終了と締結は1枚にまとまる
- 期限は事由が生じた日から14日以内。起点は契約の終了日と締結日
- 入れ替えは第3-3-2号のA欄とB欄の両方を記入し、第3-2号を併せて提出する
- 委託料・契約期間だけの変更は第3-3-1号+第1-25号。条文は「軽微な変更を除く」と留保している
- 退職により、その方への支援実施に係る委託契約が終了する場合は、様式が整理された(2026年8月20日更新)
最初の一手は、新しい体制の開始日を先に決めることです。変更は珍しい手続きではなく、順番さえ分かれば自社で回せます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
なお、本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。最新の要件は出入国在留管理庁の公表内容をご確認ください。
出典
2026年8月29日に確認。
- 出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」(令和8年8月版・2026.8.20更新) https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00201.html
- 出入国在留管理庁「特定技能関係の申請・届出様式一覧」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00020.html
- 出入国在留管理庁「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri10_00002.html
