制度を知る
特定技能2号に在留期間5年が新設へ、何が変わるか

「2号に上がったあと、更新は何年ごとになりますか」。特定技能2号への移行を考え始めた会社から、この質問をいただくことが増えました。背景にあるのが、出入国在留管理庁が令和8年8月4日に意見公募手続にかけた省令案です。特定技能2号の在留期間に「5年」を加える内容で、公布・施行は令和9年1月上旬が予定とされています(2026年9月13日確認)。長く働いてもらう前提で計画を立てる会社には、更新事務の回数に直結する話です。いま何が決まっていて、何がまだなのかを整理します。
いま特定技能2号に付いている在留期間と、更新のたびに起きること
まず現行を確認します。出入国在留管理庁の公表資料によります(出典は記事末尾)。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 1回に付く在留期間 | 3年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新 | 3年、2年、1年又は6か月ごとの更新 |
| 更新回数 | 回数の制限はなし(通算期間の上限内で更新) | 制限なし |
| 通算在留期間の上限 | 原則5年以内 | 上限なし |
2号は更新回数に制限がなく、通算の上限もありません。ただし1回に付く期間の最長は3年なので、10年働いてもらうなら更新の手続きが何度か挟まります。
更新のたびに社内で起きることは、だいたい決まっています。本人の書類を揃え、会社側の資料を用意し、申請し、結果を受け取り、在留カードを差し替え、台帳を書き換える。1件ずつは小さくても、人数が増えるほど「誰の期限がいつ来るか」を追う手間が積み上がります。段取りは在留期間の更新は3か月前からにまとめています。
「5年」の新設は、何が変わる話か
省令案の内容は、意見公募の資料に明記されています。改正するのは出入国管理及び難民認定法施行規則(昭和56年法務省令第54号)の別表第二(第三条関係)で、特定技能2号の在留期間の欄が次のように変わります。
| 特定技能2号の在留期間(条文の原文表記は「六月」) | |
|---|---|
| 改正前(現行) | 3年、2年、1年又は6か月 |
| 改正後(案・予定) | 5年、3年、2年、1年又は6か月 |
出典:新旧対照条文および「改正の概要」(案件番号315000139)。
ここは読み違えやすいので、はっきり書きます。増えるのは選択肢であって、全員に5年が付くという話ではありません。また、2号の在留が5年で終わるという意味でもありません。通算の上限が無いことは現行のままです。
改正の趣旨も資料に書かれています。永住許可の要件(最長の在留期間を有すること)において、他の就労を目的とする在留資格(最長の在留期間は5年)に比して緩やかとならないよう均衡を図る必要性、外国人の利便性の向上を図る必要性等に鑑みたもの、とされています。なお永住許可は別の制度で、要件は入管の公表内容によります。本記事では見通しは扱いません。
進み具合も押さえます。意見募集は令和8年8月4日から9月3日0時0分(e-Gov表示)まででした。2026年9月13日時点で、その結果は公示されておらず、同庁の特定技能の制度ページにもこの改正の掲載は確認できませんでした。現時点では「予定」の段階です。
何年付くかは、会社側の事情も見られる
「5年が付く条件はありますか」と聞かれますが、期間の長さを決める公表された基準は見当たりません。決めるのは個別の審査です。手がかりになるのが、出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(最終改正 令和8年6月)です。これは許可するかどうかの判断要素で、期間の長さを決める基準ではありませんが、見られている観点は分かります。
- 素行が不良でないこと
- 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
- 雇用・労働条件が労働関係法規に適合していること
- 納税義務がある場合には、当該納税義務を履行していること
- 在留カード記載事項に係る届出等の義務を履行していること
本人だけの話ではなく、雇う側の労働条件と、届出をきちんと出しているかも並んでいます。ここは制度が変わるのを待つ必要がない部分です。労働条件通知書と実際の勤務の食い違いをなくす、社会保険と納税の状況を整理しておく、随時届出と定期届出を期限内に出す。この3つは今日から積み上げられます。受け入れる側の要件は特定技能で働く人の要件、受け入れる側の要件にまとめています。
更新の回数が減ると、社内の期限管理はどう組み直せるか
長い期間が付いた場合、更新の回数は減ります。ただ、回数が減ると、次の期限が視界から消えやすくなるという別の面もあります。組み直すなら、順番は次の3点です。
①期限を1か所に集める。 在留期限、旅券の有効期限、分野別協議会の証明書、健康診断。ばらばらの場所にあると、担当が替わった時点で追えなくなります。1つの表に集めるだけで足ります。
②通知を二重にする。 在留期限の3か月前と1か月前に、担当者と管理者の両方へ通知が届くようにします。5年に1度の事務は記憶に残りません。仕組みで残します。
③面談の周期を在留期限から切り離す。 更新の頻度が下がっても、定期届出は年1回のまま残ります。本人との面談も、更新の前だけに寄せず、独立した周期で回すほうが、働き方や生活の変化に早く気づけます。
いま決まっていること/これから確認すること
| 内容 | |
|---|---|
| 決まっていること | 特定技能2号の在留期間に5年を加える省令案が公表され、意見募集(令和8年8月4日〜9月3日0時0分)が終了したこと |
| 予定とされていること | 公布の日=令和9年1月上旬、施行期日=公布の日 |
| これから確認すること | 意見募集の結果と、実際の公布・施行日。施行日より前に在留期限が来る場合の扱い |
| 変わらないこと | 2号に通算在留期間の上限が無いこと、更新回数に制限が無いこと |
いつ何年が付くかは、自社の体制や本人の在留の状況で答えが変わります。移行の時期を在留期限から逆算したい、あるいは施行の前後で申請の順番を考えたいという場合は、そのままお聞かせください。私たちは登録支援機関(登録番号 25登-011704)で、個別の在留資格の可否を判断する立場ではありません。できるのは、公表されている要件との照らし合わせ、期限管理の仕組みづくり、書類の作成支援です。判断が必要な場面は行政書士等と連携します(受入支援の内容)。
まとめ:制度を待たずに整えられるものがある
- 特定技能2号の在留期間に5年を加える省令案が公表され、公布・施行は令和9年1月上旬の予定
- 増えるのは選択肢。全員に5年が付くわけではなく、通算の上限が無いことは現行のまま
- 2026年9月13日時点で意見募集の結果は未公示。確定情報は公表内容で確認する
- 労働条件・納税・届出の状態を整えることは、制度の施行を待たずに今日から進められます
まずは、いま在籍している方の在留期限を1つの表に書き出すところから始めてみてください。2号への移行そのものの要件は特定技能2号へ移行する要件、試験と実務経験にあります。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。制度は改正されることがありますので、最新の要件は出入国在留管理庁の公表内容をご確認ください。
出典
いずれも2026年9月13日に確認。
- e-Govパブリック・コメント「『出入国管理及び難民認定法施行規則の一部を改正する省令案』に係る意見公募手続の実施について」(案件番号315000139・令和8年8月4日公示) https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=315000139&Mode=0
- 同案件 添付資料「改正の概要」(令和8年8月・出入国在留管理庁) https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000319233
- 同案件 添付資料「新旧対照条文」 https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000319232
- 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新) https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」 https://www.moj.go.jp/isa/10_00233.html
- 出入国在留管理庁「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」(最終改正 令和8年6月) https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00058.html
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」 https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html
