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特定技能2号へ移行する要件、試験と実務経験

特定技能2号へ移行する要件、試験と実務経験

「1号で来てもらって、もう3年になります。このあとも働いてもらえますか」。定期面談のあとに、受入れ企業の担当者からよくいただく質問です。特定技能1号の在留期間には通算の上限があるので、受け入れが積み上がるほど、この問いは自然に出てきます。答えの一つが特定技能2号です。ただ2号は分野ごとに要件が違い、自社の分野に2号があるかも分かれます。2026年9月時点の公表資料をもとに、確かめる順番を整理します。

特定技能2号は、1号と何が変わるか

特定技能2号は「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」と説明されています。出入国在留管理庁の制度概要資料(令和8年7月1日更新)の記載で、1号と並べます。

項目 特定技能1号 特定技能2号
在留期間 通算で上限5年(相当の理由があると認められる場合は6年) 3年、2年、1年又は6か月ごとの更新(更新回数に制限なし)
技能水準 試験等で確認(技能実習2号修了者は免除) 試験等で確認
日本語能力水準 試験(A2.2相当以上)で確認 試験(B1相当以上)で確認(令和9年4月1日施行予定の省令による)
家族の帯同 基本的に認めない 要件を満たせば可能(配偶者、子)
支援 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象 同、支援の対象外
受入れ見込数(上限) 分野ごとに設定あり 設定なし

出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新)。

更新の回数に制限がないこと、要件を満たせば配偶者と子の帯同が認められること。この2つが、本人にも会社にも大きいところです。一方で2号は支援の対象外とされています。支援計画に基づく支援は区切りを迎えますが、関係が終わるわけではありません。指導される側から、指導する側へ配置を変える時期と考えると、次の準備が具体的になります。

令和8年3月末現在の速報値で、1号が404,527人、2号が12,420人です(同資料)。令和元年に初めて1号を許可された1,625人のうち2号へ移行したのは185人(11.4%)、令和2年の14,366人では2,056人(14.3%)でした(同資料。令和8年1月23日現在の速報値)。移行した方は年を追って増えています。

移行の要件は「試験」と「実務経験」の2本立て

分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)の各別紙を読むと、2号の書きぶりはどの分野もほぼ同じです。「次のア(ア)及びイに定める試験に合格した者であり、かつ、ア(イ)に定める実務経験の要件も満たす者とする」。ア(ア)が技能試験、イが日本語試験、ア(イ)が実務経験です。つまり試験と実務経験の両方で、どちらか一方ではありません。

技能試験は分野別の「特定技能2号評価試験」が基本で、分野によっては技能検定で代えられます。ビルクリーニング分野なら「特定技能2号評価試験」または「技能検定1級」のいずれか、というように選択肢が示されています。イの日本語試験(B1相当以上)は、これに係る省令が令和9年4月1日から施行予定です(前掲の制度概要)。

実務経験のほうは、分野ごとに言葉が違います。多くの分野で軸になるのは「人を指導し、現場や工程を管理した経験」です(農業・漁業には指導を伴わない選択肢もあります)。

分野 方針が求める実務経験(要旨)
ビルクリーニング 建築物内部の清掃に、複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する者としての実務経験
建設 複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験
宿泊 複数の従業員を指導しながら、フロント、接客、レストランサービス等に従事した実務経験
飲食料品製造業 複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験
外食業 複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長等)としての実務経験(ただし、経験を終えてから農林水産大臣が別途定める期間を経過していない者に限る)

出典:分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)の各別紙。正確な文言は原文をご確認ください。

問われているのは在籍年数だけでなく役割です。ここが次の準備につながります。

分野ごとに要件を確かめる順番

特定技能2号を確かめる4つの順番。分野に2号があるか、業務区分、試験と実務経験・証明書、在留期間からの逆算

①自社の分野に2号があるか。 19の特定産業分野のうち、特定技能2号でも受け入れられるのは11分野です(2026年9月時点)。

特定技能2号でも受入れ可(11分野) 特定技能1号のみ(8分野)
ビルクリーニング/工業製品製造業/建設/造船・舶用工業/自動車整備/航空/宿泊/農業/漁業/飲食料品製造業/外食業 介護/リネンサプライ/自動車運送業/鉄道/物流倉庫/林業/木材産業/資源循環

出典:前掲の制度概要・分野別運用方針。

介護分野に2号は設けられていません。理由は「現行の専門的・技術的分野の在留資格『介護』があること」と説明されています(同庁「特定技能2号の対象分野の追加について」)。長く働いてもらう道が閉じているのではなく、進む先が別の在留資格になるという整理です。前掲の制度概要でも、在留資格「介護」の該当例は「介護福祉士」です。介護の会社は、そちらを前提に計画を立てられます。

②業務区分まで下りる。 分野が対象でも、区分によっては移行できない例があります。工業製品製造業分野では「機械金属加工区分」「電気電子機器組立て区分」「金属表面処理区分」のみ2号へ移行可とされています(分野別運用方針の別表2)。分野と区分の見方は自社の仕事は特定技能の対象か、調べる順番にまとめています。

③試験と証明書の出し方を確かめる。 特定技能運用要領には分野別の「別冊」があり、確認対象の書類まで書かれています。ビルクリーニング分野の別冊(令和8年8月28日一部改正)では、実務経験は現場を管理する者として2年以上とされ、2号評価試験は受検の際に実務経験の有無を確認するとされています。試験を受ける段階で実務経験が問われることがあります。

④在留期間の残りから逆算する。 試験の申込みと受験、結果、在留資格変更の申請と審査。この順に並べ、1号の通算期間の残りから引きます。逆算の考え方は在留期間の更新は3か月前からが使えます。

いま1号を受け入れている会社が、今日からできる準備

分野別運用方針の多くの分野には、特定技能所属機関の条件として「特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること」が置かれています。証明書を出すのは受入れ企業です。つまり、書ける材料を今日から残しておけるということです。

準備は3つです。1つ目は業務内容の記録。どの現場で、どの作業を、どの期間担当したかを、雇用契約や日々の記録と突き合わせられるようにします。2つ目は指導・監督を任せた実績の残し方。新しく入った人の指導役、シフトや工程の割り振り、安全衛生の声かけ。方針が求めるのはここなので、担当した範囲と期間が分かるようにします。3つ目は期限の管理。1号の通算期間の残りと試験の予定を、同じ表で見られるようにします。

新しい仕組みを入れる話ではなく、既にある記録の残し方を少し変えるだけです。集約先を1か所に決めるところからで十分です(情報の集約は、まず1か所に集める)。

実務経験の評価は分野の協議会や試験実施機関が定めている部分があり、自社の体制や配置で答えが変わります。ここは自社だけで決めきらず、分野の窓口や専門家と確かめながら進めるほうが結果的に早いです。私たちは登録支援機関(登録番号25登-011704)ですので、個別の在留資格の可否を判断する立場ではありません。できるのは、要件の当たりを一緒に付けること、実務経験を証明できる記録の残し方を設計すること、書類の作成支援です。判断が必要な場面は行政書士等と連携します(受入支援の内容)。

まとめ:5年で終わりではなく、続けられる道がある

  • 2号は試験と実務経験の両方が要件。どちらか一方ではありません
  • 問われるのは年数だけでなく、人を指導し現場や工程を管理した役割
  • 確かめる順番は、分野 → 業務区分 → 分野別の別冊 → 在留期間からの逆算
  • 実務経験を証明する書面を交付するのは受入れ企業。記録は今日から残せます

まずは自社の分野の別紙を1枚開いて、「2号特定技能外国人」の項があるかを見るところから始めてください。迷ったところは、そのままお聞かせください。ご相談はお問い合わせからどうぞ。入口の選び方は育成就労と特定技能、どちらで受け入れるかへ。

本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。制度の要件は改正されることがありますので、最新の要件は出入国在留管理庁および分野所管省庁の公表内容をご確認ください。

出典

いずれも2026年9月3日に確認。

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