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介護で特定技能を受け入れる要件と協議会への加入

介護で特定技能を受け入れる要件と協議会への加入

「介護で特定技能を受け入れたいが、何から確かめればよいのか」というご相談をよくいただきます。介護は分野に固有の決まりが多く、資料の数も多く見えます。ただ、確かめる順番は決まっています。 ①自社の事業所が対象か ②働く人の側の要件 ③事業所ごとの人数枠 ④協議会への加入、の4つを、公表内容にそって上から並べます。読み終わったときに、最初に数える数字が1つ決まる状態を目指します。

介護は「会社」ではなく「事業所」の単位で見る

介護分野で最初に押さえたいのは、要件の多くが会社単位ではなく事業所単位で決まる点です。その方が働く事業所で見ます。

従事する業務は、運用要領で「身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)の業務」と定められています。あわせて、日本人が通常従事することとなる関連業務(お知らせ等の掲示物の管理、物品の補充等)に付随的に従事することは差し支えない、とされています。

就業が認められる施設・事業は、介護福祉士国家試験の受験資格要件において「介護」の実務経験として認められるもののうち厚生労働省が別途定めるものとされ、一覧が「介護分野の1号特定技能外国人を受け入れる対象施設について」として公表されています。特別養護老人ホーム、指定通所介護、介護老人保健施設、障害者支援施設、病院又は診療所などが並びます。自社のサービス種別がこの一覧にあるかが、最初の確認です。

訪問系サービスは、厚生労働省が、令和7年4月21日付けの告示等改正により、介護職員初任者研修修了過程等を修了し実務経験等(1年以上が原則)を有する方は、受入事業所が遵守事項等を遵守することを条件に従事できることとなった、と案内しています。この場合は、入会証明書に加えて外国人ごとに「適合確認書」が必要です。

告示は、特定技能雇用契約において労働者派遣の対象としない旨が定められていることも求めています。

働く人の側の要件——介護は試験が2つある

介護分野は、技能と日本語で試験が分かれています。海外から迎える場合は、次の3つが基本です。

確かめること 内容
技能 技能の試験に合格していること(運用要領では「介護技能評価試験」、厚生労働省の試験実施要領では「介護特定技能評価試験(技能)」の名称。試験時間60分・45問)
日常の日本語 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上
介護の日本語 介護の日本語の試験に合格していること(運用要領では「介護日本語評価試験」、試験実施要領では「介護特定技能評価試験(日本語)」の名称。試験時間30分・15問)

出典:特定技能運用要領(介護分野)/厚生労働省「介護特定技能評価試験(技能)」「同(日本語)」試験実施要領(令和8年6月一部改正)。2026年9月4日確認

同じ試験が資料によって別の名前で書かれているところがあります。申込みや書類の作成では、厚生労働省の試験ページで名称を確かめると確実です。同要領では、試験は原則毎月実施、結果通知書の有効期限は受験日から10年後とされています。

試験によらないルートもあります。運用要領では、①「介護職種・介護作業」の第2号技能実習を良好に修了した方 ②介護福祉士養成施設を修了した方 ③EPA介護福祉士候補者として4年間の在留期間を満了した方 について、試験を免除すると整理されています。技能実習2号を良好に修了した方は、職種・作業の種類にかかわらず日常の日本語の証明が原則不要です。ただし介護日本語評価試験は、介護職種・介護作業の修了者を除いて免除されません。人の側の共通要件は特定技能で働ける人の要件、2つのルートにまとめています。

人数枠は「常勤の介護職員の総数」で決まる

介護分野には、事業所ごとの人数枠があります。告示は、1号特定技能外国人の数が、その事業所の「日本人等」の常勤の介護職員の総数を超えないことと定めています。

「日本人等」には、日本人のほか、次の在留資格の方が含まれます(告示)。

総数に含まれると告示に書かれている方 補足
在留資格「介護」の方 介護福祉士の資格を得て働いている方
特定活動(EPAにもとづき介護福祉士として従事する活動を指定された方に限る) 候補者ではなく、資格取得後の方
別表第二の在留資格の方 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
特別永住者 —

出典:厚生労働省告示第66号(介護分野の上乗せ基準)第2条第3号。2026年9月4日確認

読み方の要点は2つです。1つは、数えるのがその事業所の常勤の介護職員であること。法人全体の職員数ではありません。もう1つは、上の表にない在留資格の方は含まれないことです。

数え方は勤務形態や職種の線引きで答えが変わる、事業所ごとに確かめる部分です。

協議会への加入は、在留諸申請の前に

受入れ機関には、協議会の構成員であることと、協議が調った事項への措置・必要な協力が告示で求められています。

手続きの流れは、協議会事務局が令和8年9月1日付けで公表した資料にあります。①協議会申請システムで法人情報と受入れ予定の事業所情報を入力し、事業所の指定通知書を提出して「特定技能協議会入会証明書」の発行を受ける ②地方出入国在留管理局への在留諸申請の際に、誓約書と有効期限内の入会証明書を提出する ③就労開始後4か月以内に外国人情報を登録する、という順です。

見落としやすいのは、入会証明書に事業所の情報まで明記される点です。同資料では、入会証明書に登録されていない事業所での受入れ(異動を含む)はできないとされています。事業所が複数ある法人は、どの事業所を登録したかを台帳で持つと迷いません。証明書の有効期間と更新(有効期限の4か月前から可能)は、特定技能の協議会加入と証明書の期限管理で扱っています。

受け入れまでの順番——4つを上から確かめる

介護で特定技能を受け入れるとき上から確かめる4つの順番の図。①自社の事業所が対象施設か②働く人の側の要件③人数枠④協議会への入会と入会証明書

上から順に確かめると手戻りが出にくくなります。1つ目で対象かが決まり、2つ目で迎えられる方の条件が絞れ、3つ目で人数の上限が見え、4つ目で申請書類が揃います。協議会は、受け入れを決めた時点で雇用契約や支援計画と並べて着手します。着手全体の段取りは特定技能で人を受け入れるとき、企業が最初にやることにまとめています。

自社の事業所ではどうか、は個別にご相談ください

対象施設に当たるか、人数枠をどう数えるか、訪問系をどう扱うかは、事業所の指定内容と職員構成で答えが変わるところです。自社の事業所を1つ題材に確かめるほうが早く進みます。

私たちは登録支援機関(登録番号 25登-011704)として、受け入れ後の支援と、社内で手続きを回す体制づくりをお手伝いしています。書類は作成の支援を行い、判断を要する部分は行政書士等と連携して進めます(代表の神谷は申請等取次者の承認を受けています)。支援の内容は受入れ支援のご案内にまとめています。

まとめ:次の一手

  • 介護は事業所単位で見る。まず自社のサービス種別が対象施設の一覧にあるか確かめる
  • 人の側は試験が2つ(技能・介護の日本語)+日常の日本語。技能実習2号の良好な修了などの免除ルートもある
  • 人数枠は、事業所の日本人等の常勤介護職員の総数を超えないこと
  • 協議会への加入は在留諸申請の前。入会証明書には事業所情報まで明記される

最初の一手は、事業所ごとに「日本人等の常勤の介護職員は何人か」を1行書き出すことです。その数字が受け入れ人数の出発点になります。ご相談はお問い合わせからどうぞ。

なお、本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。最新の要件は出入国在留管理庁および厚生労働省の公表内容をご確認ください。

出典

いずれも2026年9月4日に確認。

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