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特定技能の協議会加入と証明書の期限管理

特定技能の協議会加入と証明書の期限管理

特定技能の受入れ準備というと、雇用契約と支援計画に目が行きます。実際、その2つが本丸です。ただ、実務で「あと1枚足りない」となりやすいのが、分野別協議会に関する書類です。加入しているか、証明する書類は手元にあるか、その期限は切れていないか。

以前の記事「特定技能で人を受け入れるとき、企業が最初にやること」では、協議会を「見落とされやすい準備」として1段落だけ触れました。今回はここを1本にして、加入の位置づけから、加入した後の期限管理までを整理します。

協議会への加入は「申請の前」に必要

分野別協議会とは、特定技能制度を適正に運用するために、分野ごとに設置されている組織です。受入れ企業・業界団体・関係省庁などが構成員になります。

出入国在留管理庁は、Q&Aで次のように示しています。

「特定技能制度の適切な運用を図るため分野ごとに設置されるものであり、特定技能所属機関は在留諸申請の前に必ず構成員となる必要があります。」 (出入国在留管理庁「特定技能制度に関するQ&A」)

ポイントは「在留諸申請の前に」の部分です。かつては「受け入れてから4か月以内に加入」とされていた分野もありましたが、現在は申請の前に構成員になっておく建て付けです。人が決まり、申請書類を揃える段階になって初めて協議会の存在を知ると、そこから加入手続きを挟むぶん、申請が後ろにずれます。受け入れを決めた時点で、雇用契約・支援計画と並べて着手しておくのが実務の順番です。

窓口も手続きも、分野ごとに違う

もう1つの押さえどころは、協議会が分野ごとに別の組織だという点です。各分野を所管する省庁が組織しているため、窓口も、手続きも、必要書類も分野で異なります。

分野の例 所管省庁 加入の形の例
介護 厚生労働省 協議会に入会し、入会証明書の発行を受ける
外食・飲食料品製造 農林水産省 食品産業特定技能協議会に加入する
建設 国土交通省 建設技能人材機構(JAC)への加入という独自の形

出典:出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」ほか各省庁公表資料

この表はあくまで入口の見取り図です。同じ「協議会加入」という言葉でも、オンラインで完結する分野もあれば、業界団体を経由する分野もあります。会費の有無も分野で違います。自社の分野の所管省庁のページを直接確認するのが、いちばん確実で早い方法です。なお、出典の資料は特定技能と育成就労の両制度の協議会をまとめて案内しています。育成就労側の準備は育成就労の計画認定申請、9月開始予定に備えるで扱っています。

証明する書類が必要になる場面

加入すると、構成員であることを証明する書類が発行される分野があります。この書類が実際に働くのは、主に在留資格の申請のときです。

介護分野を例にすると、厚生労働省は、協議会申請システムで入会申請をすると通常2週間程度で入会証明書が発行され、地方出入国在留管理局への申請時に入会証明書の写しを提出するとしています(厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」)。つまり、申請日から逆算して、発行までの日数を見込んで先に動く必要があります。

さらに、加入して終わりでもありません。同じく介護分野では、受け入れ後4か月以内に協議会申請システムへ受け入れた外国人の情報を登録することとされています。加入・証明・報告という一連の流れが、受入れの前後にまたがって続きます。

証明書には有効期限があるものがある

そして、この記事でいちばんお伝えしたいのがここです。協議会の証明書には、有効期限が設定されているものがあります。

介護分野の入会証明書は、その代表例です。

項目 介護分野の入会証明書
有効期間 初回発行時は1年間、更新後は4年間
更新手続き 有効期限日の4か月前から協議会申請システム上で可能
費用 入会費・年会費等は徴収されない

出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」

有効期限が効いてくるのは、初回よりも2人目以降の受入れや在留期間更新のときです。最初の申請では全員が証明書を用意します。ところが1年後、2人目の申請書類を揃える段階で証明書の期限が切れていた——となると、更新を待つぶん申請が止まります。書類そのものは揃っているのに、1枚の期限で全体が待つ形です。

幸い、この問題には良い性質があります。期限は、証明書を受け取った日から分かっている情報だという点です。突発的に起きるトラブルと違い、期限切れは仕組みで防げます。

期限管理を仕組みにする3つの手順

私たちが受入れ企業をご支援するとき、証明書の期限管理は次の形に落とし込んでいます。

  1. 台帳に載せる。 協議会の証明書の有効期限を、在留カードの期限と同じ一覧表に書き込みます。管理する場所を1つにするのが肝心で、証明書だけ別のファイルに眠らせないことです
  2. 更新可能日に目印を置く。 期限日ではなく、更新手続きが可能になる日(介護なら期限の4か月前)に印を付けます。期限日に気づいても遅く、動ける日に気づけば余裕をもって間に合います
  3. 担当と保管場所を決める。 証明書の原本・写しがどこにあり、更新は誰が行うのかを決めておきます。担当者の交代で期限管理が途切れるのが、実務でいちばん多い抜け方です

この3つは、紙の一覧表でも表計算ソフトでも実現できます。受入れ人数が増えてきた会社では、在留期限・面談記録・届出とあわせて管理を自動化する形もあり、私たちの支援実績でもその段階のご相談が増えています。

自社の分野はどうか、は個別にご確認ください

ここまで介護分野を例に書きましたが、冒頭の表のとおり、協議会の仕組みは分野で違います。証明書の期限の有無も、更新の手順も、自社の分野・受入れ状況によって答えが変わるところです。そこはお話を伺ったうえで、御社の場合はどうかをお伝えします。 私たちは登録支援機関として、申請前の準備から受け入れ後の期限管理まで、受入支援の中でご一緒しています。

まとめ:次の一手

  • 分野別協議会への加入は、在留諸申請の前に必要とされている
  • 協議会は分野ごとに別の組織。窓口・手続き・書類は所管省庁のページで確認する
  • 証明書には有効期限があるものがある。介護分野の入会証明書は初回1年・更新後4年
  • 期限管理は、①台帳に載せる ②更新可能日に目印 ③担当を決める、の3つで仕組みになる

最初の一手は、手元の証明書の有効期限日を今日確かめて、台帳に1行書き足すことです。それだけで、1年後の申請が止まるかどうかが変わります。

なお、本記事の内容は公表されている情報にもとづく目安です。加入手続きや証明書の取扱いは変更されることがありますので、最新の要件は出入国在留管理庁および各分野の所管省庁の公表内容をご確認ください。

出典

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