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建設分野の受入負担金とJAC、費用の全体像

建設分野の受入負担金とJAC、費用の全体像

「支援の委託費はだいたい分かったのですが、建設だと別にお金がかかると聞きました」——建設業の会社から、費用を組み立てる段階でよくいただくご質問です。建設分野には他の分野にはない仕組みが2つあります。建設特定技能受入計画の認定と、建設技能人材機構(JAC)への加入と受入負担金です。2026年9月9日時点の公表内容をもとに、費用の全体像と進む順番を整理します。

まず、支援の委託費とは別枠だと切り分ける

登録支援機関に払う支援の委託費は、義務的支援10項目のどこまでを委託するかで決まります(登録支援機関の委託費、金額差はどこから生まれるか)。建設分野に固有の負担は別の財布で、払う相手も根拠も違います。まず一覧にします。

費目 払う相手 発生の仕方
支援の委託費 登録支援機関 支援の全部または一部を委託した場合。機関ごとの設定
受入負担金 JAC 1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円(年額15万円)
会費 正会員である建設業者団体、またはJAC 団体の会費は団体ごと。JACに賛助会員として直接加入する場合は年会費24万円(入会金なし)
建設キャリアアップシステム(CCUS) 建設業振興基金 事業者登録料は資本金500万円未満6,000円、1,000万円以上2,000万円未満24,000円などの段階(5年ごと)/管理者ID利用料 年11,400円/技能者登録料はインターネット申請の簡略型2,500円(いずれも税込)

規模で金額が変わるのはCCUSの事業者登録料です。自社の資本金の欄を先に見ておきます。

受入計画の認定という手順があります

建設分野では、特定技能所属機関が建設特定技能受入計画の認定を受けることが条件です(令和8年1月23日閣議決定「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針」)。計画には報酬予定額や安全・技能の修得計画を記載します。認定を行うのは国土交通大臣で、窓口と審査は各地方整備局。申請先は入管ではなく国土交通省の外国人就労管理システムです。

# 受入企業の基準・受入計画の認定要件
1 建設業法第3条第1項の許可を受けていること
2 受入企業と1号特定技能外国人をCCUSに登録していること
3 特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)または同法人を構成する建設業者団体に所属し、その行動規範を遵守すること
4 1号特定技能外国人に、同等の技能を有する日本人と同等額以上の報酬を安定的に支払い、技能の習熟に応じて昇給を行うこと
5 賃金等の雇用契約に係る重要事項を、所定の様式による書面で、本人が十分に理解できる言語で事前に説明していること
6 1号特定技能外国人に、受入れ後、国土交通大臣が指定する講習または研修を受講させること
7 国または適正就労監理機関(FITS)による巡回訪問等での実施状況の確認・情報収集・指導助言に、必要な協力を行うこと等
出典 国土交通省「建設分野における外国人技能者の受入れ」(告示第2条・第3条/平成31年国土交通省告示第357号。現行は令和5年8月31日公布・施行。2026年9月9日確認)

この告示は令和8年6月23日に改正が公布され、施行は令和9年4月1日の予定です(出入国在留管理庁)。社内で共有するときは、どちらの版かを1行添えておくと迷いません。

順番で押さえたいのは2点です。1つは、CCUSの事業者登録とJACへの加入は、認定申請の前に済ませておくこと。もう1つは、在留諸申請と並行して出せるものの、受入計画の認定が出るまで入管の許可等は出ないことです。申請は雇用契約初日の半年前から可能。関東地方整備局は申請から認定まで3か月〜3か月半程度と案内しており(2026年9月9日時点)、半年前から動けるのはここを織り込むためです。

JACへの関わり方は一本道ではありません

上の閣議決定は、建設分野の特定技能所属機関に「外国人の受入れに関する団体(構成する建設業者団体を含む)に所属すること」を求めています。この団体がJACです。建設分野では協議会の構成員にJACが入っていて、受入れ企業はJACまたはその会員団体に加入する形で整理されています(出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の分野別協議会について」)。分野横断の手順は協議会加入と証明書の期限管理にまとめました。建設はこの形に読み替えます。

ルート 形 費用の出方
正会員団体を通じる JACが公表する「受入企業を傘下に有する正会員団体一覧」の建設業者団体(2026年9月9日時点で61建設業者団体)のいずれかに加入する 団体が定める会費。金額は団体ごとに異なる
賛助会員として直接加入する JACに直接加入する 年会費24万円(入会金なし)。会員証発行月の翌月26日(土日祝の場合は翌営業日)に口座引き落とし

どちらが有利かは、既にお付き合いのある業界団体の有無と、その会費と内容で変わります。早いのは、自社が所属している建設業者団体がJACの正会員かどうかを調べることです。所属していれば、そこが入口になります。賛助会員の入会審査は毎月25日正午までの申込み分を対象に翌月第2営業日に承認という周期なので(JAC「入会案内」)、月をまたぐ前提で逆算しておくと段取りが崩れません。

受入負担金は、いつから・誰に・いくら

金額と数え方は公表されています。見積書にそのまま転記できます。

項目 JACの公表内容
金額 1号特定技能外国人1人あたり月額12,500円(年額15万円)
会員種別による差 正会員団体の傘下でも賛助会員でも同額
対象 特定技能2号は受入負担金の対象とならない
消費税 受入負担金の徴収は消費税の不課税取引
起算 日割計算は行わず、在留カード「特定技能1号」の交付年月日が属する月を1月目として計算
最終月 雇用契約を満了した日または退職した日が属する月
出典 JAC「年会費と受入負担金」「外国人受入れマニュアル 第2章03 受入れにかかる費用」(2026年9月9日確認)

在留カードの交付前には発生しません。受け入れる年から1人あたり年15万円を乗せておけば、資金繰りの見通しは立ちます。このお金は、JACが行う教育訓練と技能評価試験の実施、就職・転職の支援、巡回指導、母国語相談ホットラインに充てられるとされています。直接・間接を問わず本人に負担させてはいけないので、会社が持つ費用として見積もります。

見積もりを作る順番

時間軸に置き直すと、全体はこう並びます。

建設分野の受入れ準備5段階と、各段階で発生する費用

初期にまとまるのは1と2、毎月続くのは4以降です。受入れを開始したときは、速やかに「1号特定技能外国人受入報告書」を国土交通省へオンラインで提出します(国土交通省「申請の手引き、様式(建設分野)」)。なお建設分野の1号特定技能外国人の受入れ見込数は令和6年度から5年間で7万6,000人で、令和10年度末までの上限として運用されます(前掲の閣議決定・別紙5)。出入国在留管理庁「特定技能制度」ページの新着情報を見る限り、2026年9月9日時点で交付の一時停止が公表されているのは外食業分野です(特定技能の外食業は上限で停止中?)。

認定申請の書類は自社で作成できます。私たちが行うのは登録支援機関としての支援と、社内で回すための内製化のご支援で、書類は作成のお手伝いまで。判断が必要な場面では行政書士等と連携してご案内します。

まとめ:項目を並べれば、建設の費用は見通せる

  • 建設分野の費用は、支援の委託費と別枠。受入負担金・会費・CCUSの登録料が上乗せになる
  • 受入計画の認定が必要。申請先は外国人就労管理システムで、認定が出るまで入管の許可等は出ない
  • JACへの関わり方は、正会員団体を通じる形と賛助会員として直接加入する形の2つ
  • 受入負担金は1人あたり月額12,500円。在留カード交付の月から起算し、本人に負担させない
  • 順番は「CCUS・JAC → 認定申請 → 在留諸申請 → 受入報告 → 受入れ後の講習・研修」

最初の一手は、自社が所属している建設業者団体がJACの正会員かどうかを確認することです。ここが決まれば会費の額と入口が決まり、あとは上の表に金額を書き込むだけです。

加入ルートの選び方、認定申請と在留諸申請の並べ方、社内の誰が受入報告や届出を持つかは、所属団体の有無や受け入れ人数で変わります。状況を伺ったうえでお伝えしますので、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

本記事の内容は公表情報にもとづく目安です。金額や要件は改定されることがありますので、最新の内容は国土交通省・JAC・出入国在留管理庁の公表内容をご確認ください。

出典

2026年9月9日に確認。

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